4つの『百』の話。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

 

 

亡くなってから、もう随分たつんですが、今でも、杉浦日向子さんの著書が大好きです。

 

特に、『物語』と『日紅』。

 

自分が、どこかの病院で、天井眺めて、最期の時を待ちながら時間を過ごすとなった時、

全ての持ち物を処分しても、この本は、枕元に持っていたいと思うんです。

 

初めて出会った時は、独特の画風に、

 

『何これ?ヘタウマ?』

 

と思ったのですが、何度繰り返し読んでも飽きず、

というより、読むほどに、味が出て。。。スルメの話じゃないですけどもね。

 

子供の頃、祖母に付き合ってテレビの時代劇を嫌というほど見て育ちましたので、

『江戸時代』には、古臭いベタなイメージしかありませんでしたが、

杉浦日向子さんの描く『江戸』は、そこに生きる人の、『今』感覚があって、

自分が『知っていると思い込んでいた江戸時代』なんかと、全然違っていました。

 

『百日紅』は、アニメ映画にもなって、女優の杏さんが、主人公のお栄さんを

演じていましたっけ。

 

お栄さんが陰間茶屋で見る夢のシーンが、忘れられないんです。

巨大な仏が、人なんぞ目に入ってない様子で前進するのを見上げるところ。

 

これこそ、身も蓋もない現実じゃないか!

 

と、心の奥に、クサビを打たれたシーンでした。

つまらないことで悩むと、いつも、このシーンが頭をかすめるようになりました。

自分が、アリンコになったような気持ちになり、アリンコは、神様とか仏様とか、

信じてるのかしら?と思い、いたとしても、きっと、こっちのことなんぞ

気にも留めてないんだろうな。と思う。

 

自分の悩みは、アリンコの悩み。。。

 

そう考えると、何もかも、馬鹿バカしく思えてくるのです。

 

そういうロジックを、こんな短い、ほんの数コマで表現できてしまう、

杉浦日向子さんは、やっぱり、天才だったんだなぁ。

 

 

 

 

さて、話は変わりますが、ずっと昔、内田里気鵑痢悒汽薀機璽討糧廖戮箸い小説を、

読みました。

 

なんというか、モヤッとした読後感が残る、不思議な感じの話で、

 

目の前で、ふっと蝋燭が吹き消されるような、狐か狸に、してやられたような。。。

 

 

そういう感覚をずっと持っていたのですが、

 

それと全く同じ感覚を味合わされたのが、今市子さんの『鬼夜行抄』でした。

 

 

高校生だった主人公の『律』くん。初出は平成六年!

もう26年経つのか。。。26年かけてまだ大学生か。。。

 

 

(いやいや、そんなこと言ったら、名探偵コナンくんなんか、小学生にされたきり、

 何十年経ったんだ。。?)

 

 

こっちは、今も、単行本待ちの日々。

 

中毒性がある、危険な本ですよ!

 

多分、今市子さんが描き続ける限り、

こっちも生きて、出費できる限りは、

買い続け、読み続けちゃうんだろうなぁ。。。

 

 

 

 

 

特別な話じゃなかった。と思う今日この頃。

高校生の頃、友達に勧められて徹夜で読んで、号泣した本です。

その時は、『特別な人の、特別なお話』と思っていましたが、

月日は流れ、身近な人たちの『老い』とその先の旅立ちを見守る経験を重ねると、

ネズミのアルジャーノンを見つめる主人公の視線は、

全然特別なことじゃなかったんだと気付かされます。

これって、生まれて生きて死んでいく、人生の話だったんですね。。。

(気づくの遅すぎ?)

 

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